金鉱株に投資して、より高いリターンを期待したい時に、レバレッジETFを利用すると効果的かもしれません。金鉱株のレバレッジETFと言えば「ディレクション・デイリー・ゴールド・マイナーズ・インデックス・ブル2倍(Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares)(ティッカー:NUGT)」。ですが、「このETF本当に儲かるんかな?」ってお話。
https://www.direxion.com/product/daily-gold-miners-bull-bear-2x-etfs
ディレクション・デイリー・ゴールド・ブル2倍は「NYSE Arca Gold Miners Index」の毎日のパフォーマンスの2倍の値動きをするように設計されたレバレッジETFです。もともとは3倍のレバレッジがかかっていましたが、2020年3月のコロナショック以降は2倍のレバレッジに抑えられました。
基本的な特徴
正式名称 | Direxion Daily Gold Miners Index Bull 2X Shares (ディレクション・デイリー・ゴールド・マイナーズ・インデックス・ブル2倍) |
ティッカー | NUGT |
経費率 | 1.17% |
配当利回り | 0.91% |
配当月 | 12月 |
投資対象 | 金鉱株 |
ベンチマーク | Gold Miners Index (GDMNTR) |
価格 | 93.13(記事執筆時) 最新の価格は→ヤフーファイナンスを |
NUGTは2倍のレバレッジをかけるため、現物資産のほか、先物やスワップなどの取引を活用しています。
長期チャート
以下はNUGTの長期チャートです。NUGTは「ブル」のはずなのですが、チャート自体は完全にベアになってしまってます。
面白いですね。なんだか売り建てしたほうが儲かりそうな感じがしますw
NUGTのパフォーマンスがさえない理由は、毎日のリバランスが影響しています(レバレッジETF特有の問題)。
レバレッジ型ETFは「上がったら買い、下がったら売る」という順ばり戦略を自動的に実践している。順ばり戦略は株価が一本調子に動くときは有効だ。(中略)
現実には株価が一本調子で動くことは希で、普通は上下動を繰り返しながら推移する。そのため「上がったら買い、下がったら売る」という投資行動は結果的に「下手な売買」になりがちだ。
保有期間リターン
チャートからもNUGTの期待値はマイナスとわかるものの、敢えて保有期間リターンを求めてみました。
NUGTを1年間保有した時の最大リターンは+450%で、大きなリターンを期待できます。もし、コロナショックの底(2020年3月20日)から2020年8月13日まで5か月間保有すると、投資したお金は約3.5倍(利回り+350%)を実現できました。
一方でNUGTのリターンの中央値は-50%ほどで、運用年数によらず常にマイナスです。運用年数が2年を超えるとNUGTの期待リターンは急速に減ってしまい、5年を超えると確実に元本割れします。これは過去のチャートに依存するので、将来も同じとは限りませんが、ここからNUGTの株価が大きく戻るイメージはちょっと想像つかないですね。
参考までに、保有期間をもっと短くしたときの期待利回りも求めてみました。
保有日数 | 中央値 | 最大値 | 最小値 |
---|---|---|---|
1日 | 0.999 | 1.240 | 0.507 |
3日 | 0.996 | 2.126 | 0.342 |
5日 | 0.990 | 1.676 | 0.209 |
10日 | 0.986 | 2.215 | 0.166 |
20日 | 0.964 | 2.817 | 0.139 |
1日保有した時点で、期待できる利回りの中央値はマイナスです。一方、3日保有するだけで投資したお金を2倍にできたケースもあります。ギャンブル性が高く、基本は負ける勝負だと個人的には感じます。
ここぞという時だけ買う
NUGTは常に撤退ラインを意識した上で、勝率が高いと踏んだ時だけ買うのがよさそうです。
個人的には「負けてもいいや」と迂闊にだらだらと保有していたので、もう少し戦略を改めたほうがよさそうと思ってしまいました。
こわいこわい。