「金鉱株はとてもボラティリティが大きい」。そして、その理由は金価格が上昇したときに、金鉱株の利益が急激に増える「ギアリング効果」のためです。
言いたいことはこれだけです。
ある時に大きく値上がりし、時間をかけてしぼんでいく
以下は金鉱株インデックスのパフォーマンスを示したもので、画像の大元の出典は不明です。これによると、金鉱株はある時に株価が急上昇し、その後時間をかけてしぼんでいく傾向にあることがわかります。
一方、こちらは金鉱株ベア相場だけを取り出したもの。
出典:http://www.marketoracle.co.uk/Article41159.html
1つ1つの下落が「リーマンショック級」で、逃げるタイミングを逃したらほとんど利益を失ってしまいそうです。リーマンショック時の相場については以下でも詳しく紹介しています。
なぜこのような挙動をするのだろう?
なぜ金鉱株はこれほど極端なボラティリティを示すのでしょうね。1つの可能性として、金鉱株の「利益」が原因かもしれません。
昨年2015Q4のゴールド平均価格は約$1100/オンスでした。一方優良金鉱会社のAISCは平均で$900/オンス程度でした。平均利益は$200/オンス程度となります。金鉱会社のAISCはゴールドの市場価格変動でも変わるものではありません。今年2016Q1のゴールド平均価格はだいたい$1200/オンス位ででしょう、すると平均利益は$300/オンスとなります。利益は1.5倍となります。一方ゴールド価格の上昇は1200/1100=1.1倍程度です。一般に株価は利益に応じたものとなります。ということでゴールドの価格上昇はわずか10%でも株価は50%上昇するのです。
金鉱株の株価は各銘柄の業績で決まります。純金価格が上昇しても、各企業の採掘コストは変わらないため、利益だけが急に大きくなるため、株価も急上昇するのです。
金鉱株のこの急激な価格上昇のことを「ギアリング効果」と呼ぶそうです。
このことを念頭に入れておくと、金鉱株低迷時に銘柄を仕込んでおいて、金価格が上昇した時に株式を売却することで、大きな利益を期待できる。。。かもしれません。
なお、最後に金鉱株が吹き上がったのは2013年頃までで、その後は2020年まで低調な相場が続きました。
出典:yahoo finance
2020年の相場は、コロナがきっかけで意外なことになるかもしれないですね。