金鉱株と金(ゴールド)のどちらに投資するかの判断基準

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1. 金鉱株の基本

金鉱株とゴールドをどのように保有するのが儲かるかを、1993年以降の金鉱株と金(ゴールド)の価格推移から求めたので紹介します。先に概要だけ紹介すると以下の通りです。

★金鉱株とゴールドのどちらを加えるか?

  1. 運用期間2年以内、またはポートフォリオの10%以下を純金に投資する時は、ゴールドよりも金鉱株
  2. 運用期間2年以上、またはポートフォリオの10%以上を純金に投資する時は、金鉱株よりもゴールド

※経済政策なども考慮すると確度は高まるかも

一般に、金鉱株はゴールドに対して値動きが大きいため、大きく儲かりそうなイメージで語られることが多いです。ただ、高いボラティリティを示す商品は大きな下落を伴うことも多いので、今回は1993年以降の価格推移から検証してみました。

なお、検証に利用した金鉱株インデックスのパフォーマンスは以下の記事で紹介しています。

金鉱株インデックス(Arca Gold Miners Index)の1993年以降のパフォーマンスの評価
1993年以降のArca Gold Miners Index(金鉱株インデックス)を成績を利用して、保有期間リターンなどを求めてみました。このArca Gold Miners Indexは金鉱株ETF(GDX)のベンチマークとして利用されて...
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保有期間リターン

基本的な特徴:金鉱株よりゴールドが儲かる

以下はゴールドと金鉱株インデックスの保有期間リターンの中央値と最大値を比較したものです。

中央値ベースでは金鉱株インデックスがゴールドに劣る一方、最大値ベースでは金鉱株インデックスがゴールドを上回ります。つまり、期待値ベースでは金鉱株よりもゴールドが儲かる一方で、ギャンブル的な儲けを期待できるのが金鉱株です

Arca Gold Miners Indexとゴールド(先物)の保有期間リターン(中央値)の比較

Arca Gold Miners Indexとゴールド(先物)の保有期間リターン(最大値)の比較

このことは、短い期間で高いリターンを追求することに金鉱株の旨味がある、と言えそうです。

2年以内の短期保有で金鉱株が優れる可能性

以下は米国株式(S&P500)に金鉱株を加えた場合と、ゴールドを加えた場合の保有期間リターン(中央値)を求めたものです。横軸は保有年数で、縦軸は期待リターンを示し、1を超えると運用益を得られます。

米国株式に金鉱株とゴールドを加えた時の保有期間リターン(中央値)

金鉱株は長期で保有するほど、ゴールドより期待利回りが下がります。過去の相場では金鉱株の保有年数が15年を超えると、期待利回りの中央値はゴールド未満になりました

一方、金鉱株とゴールドについて、期間の最大利回りと最小利回りをそれぞれ求めたものが下記のグラフです。

米国株式に金鉱株とゴールドを加えた時の保有期間リターン(最大値)

米国株式に金鉱株とゴールドを加えた時の保有期間リターン(最小値)

最大利回りに注目すると、2年以内の運用で金鉱株はゴールドの期待利回りを上回ります(最大リターンの図中で左端部分)。一方、最小利回りではやはり2年以内の運用で、金鉱株はゴールドの期待利回りを下回りました(最小リターンの図中で左端部分)。

金鉱株はゴールドに対して値動きが大きくなりやすい特徴を最大限活用するならば、短期的な利益を狙ったほうが良いです。

保有比率に注目すると、金鉱株を10%だけポートフォリオに加えた場合には、ゴールドのほぼ代用となる利回りになりました。一方、20%を超えると、金鉱株ポートフォリオの期待リターンはゴールドよりも下がります。

一般にゴールドが値上がりするタイミングは、株式が値下がりすることが多いです。そのため、ゴールドを保有することで下落相場での損失を緩和する効果を期待できます。

ゴールドが値上がりすると金鉱株も値上がりを期待できます。しかし、金鉱株はゴールドの価格以外にも経済状況やエネルギー価格、為替といった要因にも影響を受けるため、ゴールドと全く同じようにリスク分散効果を得られるとは限りません。

類似の検証結果

ところで、カナダの記事「Gold shares or bullion as portfolio diversifiers?(ポートフォリオ分散のためには金鉱株か?金地金か?)」では、「純金に10%投資する時は、ゴールドよりも金鉱株」「純金に20%投資する時は、金鉱株よりもゴールド」との結論に至ってます。

Gold shares or bullion as portfolio diversifiers? | Morningstar

現実的には、価格変動は金鉱株のほうが大きいため、ポートフォリオに過剰に組み込むと、資産全体の値動きが大きくなります。加えて、上述の通りにベアマーケットの優位性があるのは金鉱株ではなく、ゴールドでした。

投資判断

このような検証を踏まえ、金鉱株とゴールドへの投資は以下のように判断しました。

★金鉱株とゴールドのどちらを加えるか?

  1. 運用期間2年以内、またはポートフォリオの10%以下を純金に投資する時は、ゴールドよりも金鉱株
  2. 運用期間2年以上、またはポートフォリオの10%以上を純金に投資する時は、金鉱株よりもゴールド

今回検証で利用した金鉱株インデックスには海外ETFを利用すると投資できます。海外ETFを使うことでバリックゴールドやニューモントなどの代表的な銘柄にまとめて投資できるため、初心者でも活用しやすいのがメリットです。

ETF・投資信託活用
金鉱株インデックスに連動する投資信託やETFを解説します。 ★金鉱株に投資できる主な国内籍投資信託 ブラックロック・ゴールド・ファンド ★金鉱株に投資できる主なETF名(証券コード) ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX)...

一方、ゴールドはドル建てのものを使っており、やはりGLDなどの金ETFを使って投資できます

個人的に、短期か長期かの目線や経済政策なども考慮するとよいと思います。

★判断基準

  1. 長期で運用する。または将来の株価下落に備えたい時はゴールド
  2. 短期で運用する。中央銀行の経済政策などで、ゴールドの値上がりが見込まれる時は金鉱株